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今日のテーマは「近代美術や陶器」の魅力を知り、信楽焼で有名な信楽の窯元を訪ねます。信楽駅から「窯元散策路」を入り、窯元巡りの始まりです。道には様々な焼き物や、風情のある建物が並び、まるで別世界に入り込んだ感覚さえ覚えます。ギャラリーや洒落たカフェもあり、時間や都会の喧騒を忘れられる空間がそこにはありました。
散策路を少し抜けたところに、日本最大規模を誇る11室ののぼり窯で有名な「宗陶苑」があります。ドラマのロケにも度々使われるという壮大な窯元で、長さ30M・巾15M・高さ3.5Mののぼり窯は一見の価値ありです。のぼり窯は、現在も年2回焼き上げており、陶芸教室で作った作品も焼くことが可能です。また、苑内には無数の信楽焼が置かれ、中でも狸の大群は圧巻で撮影スポットとして大人気だそうです。
さあ、いよいよ作陶に挑戦です。伝統工芸士や幣苑作家の指導を受けながら、手ひねりによる作品造りですが、力加減が予想以上に難しく大苦戦です。2人とも最初こそ、笑顔で楽しそうな雰囲気でしたが、徐々に無口になり、表情は真剣そのもの。約1時間後、無事に茶碗の形が完成し、ようやく笑顔が戻りました。「思ったより楽しかったですけど、少しも気を抜けないというか、すごい集中しました。“無”になりました」と大川さんは、自分の作品を見つめながら満足げでした。
散策に作陶と体力限界の2人。ようやくランチタイムです。国道沿いにそびえ立つ大きな狸の建物が特徴の「狸家分福」で、狸の器に入った自家製うどんをいただきます。お腹が膨れたところで、隣接の天然温泉足湯「足楽の湯」で疲れを癒しました。すっかり元気になった2人は、今回の最後の楽しみだった「お茶」めぐりに向かいました。
信楽といえば陶芸と言う方がほとんどでしょうが、日本五大銘茶の「朝宮茶」が有名なのはご存知でしょうか?琵琶湖の南部、信楽盆地に位置する朝宮は日本最古の茶産地ともいわれています。高原地で、年間気温の較差が大きく、また霧も発生するなど茶づくりに適した気候風土により、この銘茶が生まれています。今回お邪魔した山本園では、様々な種類の朝宮茶が販売されています。また、隣接の直営カフェ「山本園(WITH TEA)」では、朝宮茶をふんだんに使ったスイーツの数々が楽しめ、自慢のほうじ茶ロールケーキや甲賀ブランドの抹茶葛餅、そして滋賀B級グルメバトルで2年連続グランプリを受賞した「あさみや金時」も味わうことができます。
山本園(WITH TEA)
http://www.yamamotoen.co.jp/帰京する前に、どうしても立ち寄りたかったのが無化学肥料、無農薬栽培でのお茶づくりをしている「かたぎ古香園」です。このお店の朝宮紅茶「紫香楽」が女子たちの口コミで広がっているようで、旅の最後にこのお店を選びました。7代目の店主片木隆友さんが自ら朝宮紅茶を入れてくださり、さっそく味見です。世界各国の紅茶を楽しんでいる紅茶通の実川さんも「香り高くてまろやか。独特なすっきり感もおいしい」と太鼓判です。また、滋賀県の「ココクール マザーレイク・セレクション2013」にも選ばれた、年に1回だけ茶摘みさんが新芽を摘んだお茶「手づみ煎茶」も、かなりお勧めです。
大津市の南東に位置する「叶 匠壽庵 寿長生の郷(すないのさと)」は、椿や栗などが原生する約6万3千坪の丘陵地にあります。四季折々の美しい景観を散策し、旬の味覚を堪能でき、敷地内には散歩道をはじめ、梅・桃畑、お茶席、お食事処「山寿亭」など、人それぞれ色々な楽しみ方できる場所。普段の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間を過ごすことができる絶好のポイントです。
月ごとにかわる生菓子とお抹茶が楽しめる茶室では、鳥のさえずりや木々のざわめきを聴きながら、裏千家流の点前とともに至福のひと時を味わえます。また、数寄屋造りの「山寿亭」では、旬の食材で仕上げられた寿長生懐石を堪能することも。
「和菓子づくり教室」も是非体験してみてください。2種類3個の和菓子づくりでは、会場で点てたお抹茶と一緒に召し上がることができ、大人気のイベントとなっています。
叶 匠壽庵といえばやはり和菓子でしょう。どれをお土産にしようか迷うちゃうという人には、大納言小豆の粒あんを近江羽二重もち米を使用し最中種で挟んだ「大石最中」、栗をまるごと1つ京都府産丹波大納言小豆の飴で包んだ「一壺天」などがおすすめです。是非とも召し上がってみてください。また、銘菓「あも」も忘れてはいけないお土産品です。春日大納言小豆と、やわらかな求肥を合わせた棹菓子「あも」は全国各地にファンがいるほどの大人気の一品です。大津はもちろん、京都から足を延ばしてでも是非立ち寄ってほしいお勧めスポットです。
叶 匠壽庵
http://www.kanou.comあっという間の2日間。甘さある近江牛や、美味しいお茶。日本の伝統に触れ、忍者にも変身。「楽しかったです。友達にも滋賀をおすすめしたい。絶対みんな喜びます。でも、食べ過ぎて少し太っちゃったかもー」と大川さん。「時間が足りませんでした。もっとまわりたい場所がたくさんありました。でも、2日間でこれだけ充実した時間を過ごせたので大満足です」と実川さんは物足りなさげでした。ただ、2人とも声を合わせて「絶対にまた来ます!今度は、好きな人とね」と再訪を誓い、たくさんのお土産を手に、帰路に着きました。
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