日本旅行の店頭店舗において、個人のお客様に対して旅行商品の対面販売を行うのが店頭営業の主な仕事です。そこでは、旅行に関する豊富な知識を有したプロとして、新鮮な情報と適切なアドバイスの提供が求められます。旅行計画を嬉しそうに相談されるお客様のお話を伺いますと、おのずと心も弾むものです。大変ですが、楽しくやりがいのある仕事と言えるでしょう。
　私は現在、これまでの店舗での経験を踏まえ、販売支援担当者という立場からこの仕事の魅力を多くの店頭営業スタッフに伝えることを一番の使命と考えています。スタッフ一人ひとりの仕事に対するモチベーションを向上させることで、お客様により良いサービスを提供する。するとお客様は喜ばれ、またそのスタッフに旅行を頼んでくださる、当然スタッフの意欲はますます高まります。この動機づけのサイクルを循環させることで、店頭部門として会社の業績向上に貢献していきたいと考えます。
　お客様のニーズが多様化する中で、これからはスタッフのコンサルティング力のさらなる向上が不可欠となります。そのため日本旅行では、新入社員の早期育成に加え、中堅社員のスキルアップを目的に「ウエディングエキスパート」や「クルーズコンサルタント」などの育成にも積極的に取り組んでいます。またその時々に応じた「販売コンテスト（個人即賞）」の実施や「現地研修」の参加慫慂も合わせて行い、仕事に対する意欲と自信を高められるような仕組みも用意されています。お客様のご要望に対応するだけではなく、もう一歩先を見据えたサービスを提案していくことで、今後の日本旅行の店頭営業の発展に繋がるのです。

　私が所属する西日本営業本部の統括エリアには現在55カ所の直営店頭店舗があり、そのうち約6割が関西圏に集中しています。さらにその7割以上がJR駅構内に店舗を構えるＴｉＳ店舗です。その好立地を活かした告知効果や店舗ネットワーク力による販売拡大を図り、特にJR西日本グループとしてＪＲ利用商品の販売No.1を目指しています。
　実際の業務としては、店頭での販売施策の企画・立案、店頭パンフレット掲出などの販売指針の構築、店舗ディスプレイやＰＯＰ作成といった販売支援策、などを行っています。キャンペーンを打つにしても、パンフレット掲出をするにしても、全店舗で一斉に実施することで日本旅行としてのブランド力を演出し統一感を持たせる場合と、店舗毎のオリジナリティを重視し個別に展開する場合と、を上手く組み合わせることが重要です。
　さらに各店舗の後方業務を集約したり、エリア毎で販売戦略を集中させるチェーンオペレーションの実践も始まっています。また、駅構内のＴｉＳ店舗においては、旅行関連商品やサービスの販売に加え、恵まれた立地条件を活かした異業種とのコラボレーションといった店頭販売の新たな可能性も探っています。ここ数年は、Webサイトと店舗が相互に連携した「ネット＆ショップ」の推進による新たな販売チャネルへの挑戦で、急速に変化するマーケットに対応しています。
　店頭営業は、今後ますます進化を遂げていくに違いありません。そんな店頭店舗の最前線で様々な可能性をもって活躍できる人材こそが、今日本旅行には必要とされています。