私は現在、教育旅行営業を中心に携わっています。仕事の大半を占めるのは、やはり修学旅行を軸とした営業活動。まずは担当の学校に足繁く通い、日本旅行への修学旅行見積もり依頼をお願いするところからスタート。その後依頼をいただいてからが勝負。少しでも安い料金をお求めなのか、それとも企画内容重視なのか、そしてその内容はどういうものなのかについて、徹底的に情報収集。チーム内で作戦を練り、提出までじっくり研究します。
そして出来上がった企画書を学校に提出です。学年主任の先生へ提出という形もあれば、10名以上の前でプレゼンテーションすることもあり、学校によって様々です。
念願かなって日本旅行へ受注の連絡を頂くのが、旅行実施日の約1年~1年半前。そこから打ち合わせを重ねて、先生方と少しずつ修学旅行を作り上げていきます。そしていよいよ本番。担当の学校については基本的に自分で添乗します。これまで作り上げてきた内容で満足している生徒さんを見るのは、営業として無上の喜びです。
添乗中は、旅行が円滑に進むように裏方で操作していくことが求められます。表から見えないハプニングは多々起こりますが、上手く進んでいるように見せるのも添乗員としての腕の見せどころ。こうして、当たり前のように何事もなく帰ってきた修学旅行も、添乗員にとっては色んな冒険があって無事帰ってきたという感無量の瞬間でもあるのです。解散式が終わって、生徒さんが散らばって帰る瞬間に一気にやってくる達成感や安堵は、本当に言葉になりません。これは、私の仕事への大きなモチベーションになっています。
「こんなふざけた提案して。おまえだから取れないんじゃないか?」──上司から気難しいと評判のお客様を引き継ぎ、ご挨拶もそこそこに10日後に迫ったGWの宿の手配を依頼されたときのこと。ご希望の宿が取れなかったため、必死で代案を提案した際に言われたのが冒頭の言葉です。悔しさと情けなさでいっぱいになりましたが、その後は分刻みに空き状況を調べた結果、なんとかご希望の宿が手配できました。改めて提案に行くと、お客様はとても驚いてくださり、それをきっかけにお客様との信頼関係が築かれていきました。その後は旅行のご依頼をいただくたびに、モデルコースや旅館の詳細情報など、こちらでできる限りの最大限の気配りに徹するように。すると、その方の夢であったという、豪華客船「飛鳥」での世界一周クルーズをご発注いただきました。そのお客様から「人生の夢をあなたに託す」と言われたときは、涙が出る思いでした。
そんな私の仕事上の夢は、いつか自分の母校に営業を行って修学旅行を受注し、添乗すること。生徒として一緒に旅行に行った先生方と、仕事という立場で関わって修学旅行を作り上げて添乗するというのは、不思議な感じがするでしょうが、きっとこれ以上ない幸せが味わえることでしょう。
一つひとつがまったく違う!!修学旅行
修学旅行への添乗は、やはり毎回記憶に残ります。行く場所が一緒であっても、学校によって反応が違ったり、独自の取り組みがあったりと、ご一緒するお客様によって雰囲気がガラッと変わるのです。ただ、どの学校であっても「皆で良い旅行にしたい」という思いがひとつになるので、無事に旅行が終わったときの達成感は毎回たまりません。