学生時代に、友人と2人で1カ月間かけて旅したオーストラリア旅行。これが、私が旅行業界を目指したきっかけです。前半の2週間は、世界中の人が集まるゲストハウスに宿泊して、小学校の庭を作るなどのボランティア活動に取り組み、後半は、観光名所などをぶらぶらと放浪。いろんな人に出会え、美味しい食べ物にもたくさんめぐり逢えた、旅行の素晴らしさを知った旅だったのです。今こうしてお客様に旅行をご案内する仕事に就いているのも、そんな旅の思い出があるから。この仕事を通してお客様に旅の素晴らしさや楽しさをたくさんお伝えし、そして実際に実感してもらえるように努めています。
　今は仕事を楽しみながら、さらに成績にもこだわりながら取り組んでいます。最近は、1年目に、なかなか話を聞いていただけなかったお客様に、あらためてアプローチしているところ。何としても仕事を受注したいと頑張っています。

　思い出に残っている添乗は、他社との競合の末獲得した、1泊2日総勢1４0人の社員旅行でした。目的地は平家の落人伝説で知られる湯西川温泉です。女性の多い会社でしたので、食事と宿泊先にこだわりながら、自分も参加したくなるようなプランをご提案しました。例えば、季節の食材が堪能できるホテルでのランチや、移動中にお配りする飲み物もカクテル系飲料をご用意。さらに老舗のホテルにお泊まりいただくと共に、翌日の平家の里のお祭りには、当時の着物姿で参加していただきました。ただ電車で移動中に、緊張し過ぎためか少々具合が悪くなり、サポートしてくれた上司から「笹木、青白い顔して、だ、大丈夫か」と心配されたことも。それでも、楽しまれているお客様の様子を見ているうちに体調は復活。無事に終えたときは、何とも言えない充実感に満ちていました。お客様を満足させる難しさを知り、そしてやりがいを見つけることができた、初めての添乗。私にとって、これが旅行ビジネスの原点となっています。