日本の政治・文化・宗教の歴史を遡ると、中国を起源とするものが数多く存在するのは周知の事実です。その中でも、とりわけ、日中交流の先駆者であった遣隋使・遣唐使たちが「長安」の都(現:西安)へ赴き、学び、そして幾多の苦難に立ち向かい、乗り越え日本へ持ち帰ったものは多岐に及びます。このように「西安」は、私たち日本人にとって、その歴史的な起源に触れることができ、また知的好奇心を大いに満たしてくれる地と言えます。ここではそんな西安の魅力をご紹介したいと思います。
しょうろう
鐘楼
街の中心に建ち、開門を告げていた鐘があります。ライトアップが綺麗。
ころう
鼓楼
鐘楼の近くに建ち、かつて閉門の時を告げていた大きな太鼓があります。
じょうへき
城壁
長安城を基に明代に築かれたもの。朱雀門・含光門などの名称が残ります。
がんこうもんじょうしょういせき
含光門城墻遺跡博物館
遣隋使・遣唐使も目にしたであろう、隋・唐時代の貴重な城門を保存しています。
かいみんがい
回民街
鼓楼北側に続くイスラム教回族の飲食店が集まる通りです。夜が賑やか。
だいがんとう
大雁塔
玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典の保存を目的に建てられた塔です。
しょうがんとう
小雁塔
義浄がインドから持ち帰った経典を翻訳。円仁が逗留したところでもあります。
せいりゅうじ
青龍寺
帰国後、高野山金剛峰寺を開いた空海が、真言密教を学んだお寺です。
せんせいれきしはくぶつかん
陝西歴史博物館
中国を代表する博物館。貴重なコレクションを時代毎に見学できます。
せいあんはくぶついん
西安博物院
2010年にオープンした新しい博物館で、テーマ毎に見学ができます。
ひりんはくぶつかん
碑林博物館
「昭和」や「平成」の年号の出典となった「尚書」の石碑があります。
こぶんかがい
古文化街
碑林博物館に続く書や絵画関連のお店が連なり、散策が楽しい通りです。
だいとうにしいちはくぶつかん
大唐西市博物館
260以上の業種のお店があった、西市の様子を再現した展示は必見です。
シルクロード起点
モニュメント
大唐西市博物館前にあるシルクロードの起点を示すモニュメントです。
こうけいきゅうこうえん
興慶宮公園
玄宗が政務を執った興慶宮の跡。彼に仕えた阿倍仲麻呂の碑があります。
だいめいきゅういせきこうえん
大明宮遺跡公園
唐代の政治文化の中心であり、遣唐使が皇帝に拝謁した宮殿の跡地です。
だいとうふようえん
大唐芙蓉園
盛唐文化をテーマにしたパーク。夜は唐代建築のライトアップが綺麗です。
だいとうふやじょう
大唐不夜城
唐風情の通りに新しいショップが並びます。夜は音と光と噴水のショーあり。
だいがんとうみなみひろば
大雁塔南広場
西安のランドマークでもある大雁塔を背景に、玄奘の像が立つ広場です。
かせいち
華清池
冬に玄宗皇帝と楊貴妃が過ごした温泉地で、今も温泉が湧いています。
しんしこうていりょう
秦始皇帝陵
世界遺産。地下宮殿の存在などまだまだ謎の多い始皇帝の眠るお墓です。
へいばようはくぶつかん
兵馬俑博物館
世界遺産。始皇帝を死後も守る実物大規模の兵馬俑が並ぶ様は圧巻です。
ようりょうはくぶつかん
陽陵博物館
前漢第4代皇帝の陶俑を間近に見学できます。展示方法も高評価。
もりょう
茂陵
前漢第5代皇帝武帝のお墓。傍に匈奴征伐で活躍した霍去病も眠ります。
けんりょう
乾陵
唐第3代皇帝高宗と則天武后の合葬墓。参道両側に並ぶ石像が圧巻です。
えいたいこうしゅぼ
永泰公主墓
日本の高松塚古墳の壁画と似ている「仕女図」の壁画が特に有名です。
しんせんかんがはくぶつかん
秦磚漢瓦博物館
秦漢時代のカワラの博物館。この時代の芸術や思想が推察できます。
しんにせいぼ
秦二世墓
秦の始皇帝の息子・胡亥のお墓。始皇帝陵との大きさを比較してみましょう。
りざん
驪山
華清池の背後に聳え、美しい景観を作ります。麓には秦時代から温泉があります。
いが / いすい
渭河/渭水
都を離れる者との別れの地であり、そのため漢詩の舞台としても有名です。
円仁の「入唐求法巡礼行記」にも登場する長安の東に位置する河です。
ぎょうざえん
餃子宴
西安名物の筆頭。餃子の色、形、餡のバリエーションは実に多彩です。
ようきひえん
楊貴妃宴
唐の時代と同じ食材を用いて現代風にアレンジした芸術的な料理です。
げんじょうえん
玄奘宴
玄奘三蔵の天竺までの旅を、華やかに野菜で表現した精進料理です。
かきこもち
柿子餅
小麦粉と柿を混ぜて作った甘いお菓子。回民街などで食べられます。
めん
麺
小麦の産地である西安の主食は麺。 様々な種類、味付けが楽しめます。
ぴーいん
皮影
なめした皮にナイフでデザインを入れ、色彩をほどこす民間芸術品です。
のうみんが
農民画
西安市戸県が発祥の農村を題材にした色彩絵。お土産屋さんでみられます。
せいあんえき
西安駅
中国各地から列車が乗り入れるターミナル駅で、行き交う人も様々です。
せいあんちかてつ
西安地下鉄
現在2号線が開通している地下鉄駅。通路のレリーフは見応えがあります。