日本旅行 トップ > JR・新幹線+宿泊 > 鉄道の旅 > 汽車旅ひろば > ひろやすの汽車旅コラム 「予土線(1) 四国を新幹線が走る!? いま話題の車両」

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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

予土線(1) 四国を新幹線が走る!? いま話題の車両 [No.H089]

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いま話題の、四国を走る「新幹線」。東海道・山陽新幹線を走っていた0系新幹線を模している。
新幹線が走っていない四国を走る新幹線…ん、なんかヘンな日本語ですね。でも、右の写真をみると、まさに新幹線0系ですよね。ところが、前面左上には「ワンマン」の表示が見えていて笑えます。(画像をクリックして、大きな画像でご覧下さい。)「鉄道ホビートレイン」という愛称が付けられています。
走っているのは、JR四国の予土線です。予讃線と土讃線を結ぶ路線ということで予土線と名づけられましたが、いまや「日本最後の清流」として知られる四万十(しまんと)川に沿って走る、風光明媚な路線として人気です。ただし、予土線の両端は主要駅ではないため、第三セクター土佐くろしお鉄道・窪川駅~予讃線・宇和島駅間の運行となっています。



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駅には、予土線全通40周年を記念するのぼりが掲げられ、ワンマン新幹線のイラストが描かれている。
この新幹線もどきの車両は、予土線全通40周年と予土線当初開業区間が100周年を迎えることを記念して、JR四国が3月のダイヤ改正から登場させたものです。あまりのインパクトの強さに、登場してからマスコミで大きく取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。実際に現地の駅にいても、利用者がのぼりやポスターをみて、この車両のことを話題にしているところを何度も見かけました。
ちなみに、予土線の全通は1974(昭和49)年3月1日で、四万十川沿いの風光明媚な区間である江川崎~若井間42.7kmが同日一気に開業したのでした。ただし、川奥信号所~若井間3.6kmは、いま第三セクター土佐くろしお鉄道中村線となっている国鉄中村線への乗り入れです。一方、当初の開業区間は、1914(大正3年)10月18日の宇和島~近永間17.4kmでしたが、当時は宇和島~務田間7.8kmがいまのルートとは違う、宇和島鉄道が開業した路線でした。1933(昭和8)年に買収されて、後の国鉄、いまのJR四国の路線となっています。




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反対側の前面には、0系新幹線をイメージした円が描かれているが、貫通扉・同幌があることもあり、意外にふつー。
ところで、新幹線0系もどきの側ばかりが注目されていますが、反対側は右の写真のとおり、意外とふつーです。キハ32形という一般形気動車を改造したため、車番はキハ32 3のままです。でも、よく見ると0系をイメージした円が描かれているほか、ヘッドライト周りや屋根に近い運転席窓の上部なども工夫が凝らされていることが判ります。こちらが宇和島駅側ですので、0系もどきが先頭になって走る姿は、近永・窪川行の際に見られます。
ちなみに、車内には0系で実際に使われていたシートが記念撮影用として一部に取り付けられています。また、新幹線やJR四国ゆかりの鉄道車両模型を展示するショーケースなどもあります。運行時刻は次の通りですが、定期検査での運休日もありますので、乗りに行かれる際にはJR四国のサイトで念のためご確認下さい。


●鉄道ホビートレインの運転時刻
宇和島   12:17 13:10※ 14:31※ 15:37 20:37 21:03
   
近永   11:41 13:46 13:55 16:16 20:02 21:46
       
江川崎 6:32 10:59 16:52 19:32 22:20
 
 
窪川 7:27 10:04   17:50 18:24  




※土休日運転








掲載日:2014年05月23日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。