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[汽車旅ひろば] 鉄道に関する旬な情報、耳よりな情報をお届けします!

汽車旅ひろば

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「汽車旅ひろば」は、2018年7月27日をもって更新を終了しました。
2012年08月24日から約6年にわたる長期連載となりましたが、いったん一区切りとなります。
新しい形でまたお目にかかれることを関係者一同楽しみにしています!
長らくのご愛読ありがとうございました。

トピックス一覧

2018/07/27
ひろやすの汽車旅コラム「おもちゃ列車・駅・美術館を楽しめる由利高原鉄道[最終回]」を掲載しました。
2018/07/20
ひろやすの汽車旅コラム「拙著「東海鉄道散歩」が7月21日に発刊されます」を掲載しました。
2018/07/13
ひろやすの汽車旅コラム「鉄道日本一(7) 最短営業距離のモノレールと地下鉄」を掲載しました。
2018/07/06
ひろやすの汽車旅コラム「山陰デスティネーションキャンペーンで注目の列車」を掲載しました。
2018/06/29
ひろやすの汽車旅コラム「貨物列車が通せんぼをする踏切…秩父鉄道」を掲載しました。
2018/06/22
ひろやすの汽車旅コラム「鉄道の父「井上勝」像でつながる山陰本線萩駅と東京駅」を掲載しました。

鉄道に関するコラムです!「鉄道フォーラム」代表の伊藤博康氏による「ひろやすの汽車旅コラム」と、日本旅行鉄道プロジェクトチームの「汽車旅なんでも情報」の2本立てです。

"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

おもちゃ列車・駅・美術館を楽しめる由利高原鉄道[最終回] [No.H295]

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「鳥海山 木のおもちゃ美術館」の開館に合わせて走りはじめた、鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」。
秋田県を走る由利高原鉄道の沿線に、立派な校舎と広い運動場をもった鮎川小学校がありました。2004年に由利小学校に統合されて廃校となりましたが、2012年に中央校舎棟、南校舎棟、北校舎棟、屋内運動場の4棟が登録有形文化財となります。
その校舎を利用して、今年7月1日に「鳥海山 木のおもちゃ美術館」がグランドオープンしました。同日、同美術館への足として、おもちゃ列車「なかよしこよし」の運行も始まりました。2000年に登場したYR-2001を改造した車両で、最寄りの鮎川駅からは無料シャトルバスが接続しています。
運行時刻は次の通り、基本的に1日2往復です。
    矢 島   鮎 川   羽後本荘
  09:40 10:09 10:21
  11:22 10:55 10:43
  12:00 12:29 12:41
  13:39 13:12 13:00
ただし、検査等で別の車両による代走になることもありますので、事前に由利高原鉄道の公式サイトの新着情報を確認すると良いでしょう。


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秋田杉をふんだんに使った車内は、木の美術館に行く前から期待が高まる。(写真は同鉄道協力のもと矢島駅の車庫で撮影)
鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」の車内は、ご覧の通りウッディなものです。
地元の秋田杉を惜しみなく使っているだけでなく、地元に伝わる曲げの技術を使って、見た目にも触れた感触も良い仕上げにしています。ぱっと見でわかるところだけでなく、天井までしっかりと曲げの技術を使った秋田杉というところに、こだわりも感じます。
窓に向かって座るカウンター席やテーブル付きのボックスシートに加えて、子供用の椅子や木の砂場、それに木のおもちゃなども用意されています。これらを、予約をせずとも自由に使えるのも子連れの家族にはうれしいところでしょう。
実際、筆者は計3回この車両を使った営業列車に乗りましたが、土曜日だったこともあり、必ず男の子が木の砂場で遊んでいました。

デザインは、「鳥海山 木のおもちゃ美術館」のデザイナーでもある砂田光紀さんですが、パッと見ではJR九州などの車両デザインを手がける水戸岡鋭冶さんを想像する部分もあります。それもそのはず、砂田さん自身が福岡市にオフィスを構えているだけでなく、肥薩線活性化のプロジェクトにおいてデザインを担当された関係で、水戸岡氏と師弟関係とも呼べるような親交があるのです。そのため、水戸岡氏の手法をいろいろと応用していることが見て取れます。
さらに、写真右下にチラと写っている赤いシートモケットと、奥の方に写っているボックスシートのモケットは、JR九州の在来線時代の「つばめ」787系などに使用していた素材そのものだそうです。これも、JR九州とつながりをもつデザイナーならではのものですよね。


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シャトルバスが待つ鮎川駅前。右手の洒落た建物はクラウドファンディングで建てた「鮎川駅おもちゃの待合室」
先に、鮎川駅ではシャトルバスが接続していると記しましたが、多くの乗客がJR羽越本線との乗換駅である羽後本荘発の列車でやってくるものの、列車は3駅先の前郷駅で矢島発と交換するため、その矢島発の列車を待っての発車となります。
このため、羽後本荘からの客は鮎川駅で20分強の待ち時間があります。そこで、子ども達が遊ぶことができる「鮎川駅おもちゃの待合室」が駅前に用意されています。写真の右手に写っている、屋根の低い建物がそれです。
もともと自転車置き場だったのですが、今年2月1日~4月24日にこの改造費をクラウドファンディングで得ることができました。クラウドファンディングとは、インターネット上で企画に共感する人たちから資金を募る仕組みです。
由利高原鉄道は第三セクター鉄道で、毎年利用者が減る環境で懸命に存続を模索しています。それだけに資金的余裕はないため、インターネットで賛同者を募ったわけです。その結果、300万円の目標に対して370人から528万5千円もの資金が集まって、この子供用の待合室ができたのでした。
大人が入るにはいささか天井が低くて狭いのですが、子供にはピッタリのサイズで、屋内には休憩用の椅子や木のおもちゃなどが置いてあります。バス停のマークも小柄ながら本格的なものです。
写真には写っていませんが、軒続きにもともとこの場所にあった自転車置き場も併設されています。
さらに、駅舎の先にあるホームにも、「世界一小さな待合室」を謳う「あゆかわこどもハウス」があります。子供にとっては、夢のような駅に見えることでしょう。


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矢島駅舎内にできた「一口駅長」ミニ本荘こけしのミニ駅長室群に、一口駅長を収める筆者(左上)
前記のクラウドファンディングでは、370人の支援者のうち293人が「一口駅長」ミニ本荘こけしのリターン(返礼品)に申し込みました。筆者もそのうちの一人です。
このリターンでは、手作りのミニ本荘こけしが出資者に送られてきます。予想以上に多数の応募があったため、6月中に発送を終える予定が、7月下旬になっても発送が続いているような状態ということです。
このミニ本荘こけし「一口駅長」を持参で矢島駅に行きますと、改札を出たすぐ右側に、写真のようなボードができています。数ある窓の下には寄贈者の名前が記されているので、そこから自分の名前をみつけて、持参した一口駅長を収めるという仕組みです。
前述の通り発送が遅れているため、7月21日に訪れた際には、収められている「一口駅長」はパラパラと散見される程度でしが、この先、次第に埋まっていくことでしょう。この棚に一口駅長がズラッと並んだら、さぞ見応えがあることでしょうね。


さて、2012年8月から毎週金曜日に連載してきました当「ひろやすの汽車旅コラム」ですが、今回で一区切りすることになりました。
今回が295話目で、ほぼ全国の話題を取り上げてきましたが、佐賀県と宮崎県だけ一度も取り上げられなかったのが残念です。
今後、サイトそのものについてどうリニューアルすると良いか検討したうえで、仕切り直しての再開を目指しています。その際には、改めてご愛読いただけましたら幸いです。
これまでのご愛読をありがとうございました。



掲載日:2018年07月27日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。


2018/07/20 拙著「東海鉄道散歩」が7月21日に発刊されます
2018/07/13 鉄道日本一(7) 最短営業距離のモノレールと地下鉄
2018/07/06 山陰デスティネーションキャンペーンで注目の列車
2018/06/29 貨物列車が通せんぼをする踏切…秩父鉄道
2018/06/22 鉄道の父「井上勝」像でつながる山陰本線萩駅と東京駅
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いま、銚子電鉄が面白い!! [No.P011]

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銚子電鉄と言えば「濡れせんべい」。1日フリー切符の「弧廻手形」を買うと、犬吠駅で1枚プレゼント。
日本に数多い鉄道会社の中で、路線延長が10kmに満たないところがいくつかあります。そのひとつが関東の最も東を走る「銚子電鉄」です。
NHKのドラマ「澪つくし」の舞台となり、その名を付けたトロッコ車両「澪つくし」号を走らせるなど、以前から鉄道ファンだけでなくたくさんの観光客の注目を集めてきましたが、最近では「濡れせんべい」が大人気と、話題が豊富なことには変わりありません。

「澪つくし」号はすでに引退してしまいましたが、今もここを走るは鉄道ファンに人気があります。それは6両の電車が在籍していますが、全て他の鉄道会社からやってきたものばかり、しかも元の会社ではすでに引退しているため、ここでしか雄姿を見られないという貴重な車両たちだからです。


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犬吠埼の灯台を見ながら走る1000系。赤い電車もかなり馴染んで来ました。
単行で運用に就く1000系は、かつての営団地下鉄2000系で、銀座線カラー、丸ノ内線カラーに塗られ走っています。

















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アイボリーホワイトの2000系。夏でも涼しい冷房車です。
2両編成の2000系は、伊予鉄道800系でしたが、その前は京王電鉄3000系として関東を走っていた車両で、グリーン、そしてアイボリーホワイトに赤帯と京王電車を彷彿とさせる塗色になっています。











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古豪デキ3は仲ノ町の構内にいます。90歳を過ぎて、今なお現役です。
そして忘れてならないのが、1067mm軌間では現存する最小の電気機関車「デキ3」。全長がわずか4.5mしかありません。鉄道車両全体を写真に撮る時、普通は横長の画面に収めますが、この機関車は縦に構えるとちょうどいいという、なんともかわいい車両です。
1922年ドイツ製という舶来モノですが、今でもちゃんと走ることが出来るので、イベント時には構内を行ったり来たりしています。ただ、車籍がないので本線を走ることが出来ないのがなんとも残念です。










こうした貴重な車両がたくさんいる銚子電鉄。仲ノ町の車庫は、入場券を購入すれば見学が可能なので、鉄道ファンがやってきてはデキ3をはじめとした車両の撮影していきます。
そこで、夜ライトアップしてみたら、デキ3が昼間とは違った雰囲気になるのでは、ということで9月6日(金)、「ミッドナイト撮影会 in 銚子電鉄」を開催することになりました。
詳しくはサイトをご覧いただくとして、鉄道写真家の広田 泉さんのご協力をいただき、ちょっと変わったライティングを考えています。
滅多に出来ない貴重な企画ですから、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。


そして、銚子電鉄のイベントは鉄道ファン向けばかりではありません。
「愛の"銚子伝説"」と銘打って千葉県初の「鉄コンby銚子電鉄」も開催するとか。
9月21日(土)の日帰り企画で、東京・船橋から貸切バスで出発、テレビで話題のイルカウォッチングや銚子の観光名所をまわり、また銚子にまつわるクイズなど様々なイベントを用意されているというもの。目標は5組のカップル誕生とか。

仲ノ町に停めた電車の中で金魚すくい「電車でGYO」や、「車両清掃体験」など、鉄道を舞台に様々な楽しさを提供してきた銚子電鉄。
これからも多くの方に楽しんでもらえる企画が登場することでしょう。
会社は小さくても、楽しさはデッカイ銚子電鉄、目が離せませんね。




掲載日:2013年08月16日



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